レント国
神霊界アー・ヴァレンス。黒魔界シー・ゼネス。人間界リスディム。天空界アールマティ。
これらの国と同盟を組んでいる。
首都、ファルレィム。廃虚の街、ラ・セラトゥル。音楽の街、フィゼット。遊びの街、レ
ントル。自然の街、ミル・コールと言う、5つの街から成り立つ国で、特に差別もなく、
人外が住んでいるにも関わらず、のんびりとした国である。この物語は195年前…。…まだ、イレント国が出来ていなかった時…ラ・セラトゥルが、
廃虚ではなかった時から始まる。


…そう、狂族と呼ばれたストレインが、まだ栄えてた頃の話から…


堕      
               天   No.1.....族ストレイン。そして反逆者        
使   
 ハレルヤ



狂族 ストレイン

その名を聞けば皆悪寒を感じ、それと同時に憎しみを持った。
ラ・セラトゥル街を納める、狂った一族。

では、何故ストレインが狂族と呼ばれるのか?
ストレインを快楽殺人集団と言う人も居れば、狂ってると言う者も居る。
理由は、ラ・セラトゥルを納めているというのに、住民に対し、魔獣を放ち、混沌の渦に
陥れてると言う事。そして、それを嘲笑って見ていると言うこと。
住民からすれば、その行動は理解出来ない、狂喜かもしれない。
だから狂族と呼ばれたと言う、何とも単純で難しい理由。

ストレインの長は、見た目20歳程の、華奢な女だった。
風に靡く、ストレートで綺麗な灰色の髪は膝まであり、胸元がはだけている上に、膝の辺
りからぱっくりと開いたロングスカートで、長袖の白い服。髪と同色の短いブーツ。肌は
白く、あまり外に出ていないことが伺える。そして、一番目立つのは楽しそうにしている
表情に、あまりにもぴったりな、血のような赤い眼。
それが長、レァツライ=ストレインの外見だった。

そして、一族は、レァツライを覗けば6人居る。

ストレイン2番手の、奇妙な男。ディラ。
赤い猫の様な帽子を、目が隠れるまで深く被り。肩まである やや黒めの赤髪。袖が長く、
手が隠れるような白い服に、サイズに余裕がある青い長ズボンと言った格好…年は18や、
そこらに見える。

魔獣を作り出す研究者、冷静な男。ルヴァール。
藍色の、腰まである髪を首の所で一纏めにして、常に下の服が見えないように白衣を着込
んでいる。見えるのは、黒い靴と、ベージュの色をしたズボンの裾。目は切れ長の黒目。
年はやはり、20歳くらいだろう。
快楽殺人者で、狂ったように笑う男。サライ。
黄銅色の髪はショートカット。黒いタンクトップを着ていて、両腕には逆十字の刺青が刻
まれている。足にピッタリとした白いズボンを履いていて、黒い靴。目は正気を持たない
紫色で、やや大きめである。…年は17くらいだ。

呪術師であり、格闘家。読書を好む娘。イハル。
淡い水色の髪は足の付け根と膝の間まであり、後頭部に紫の花の髪飾りをしている。服は
青い着物のような服で、下の方はヒラヒラになっており、着物と言うよりは自分レアレン
ジした感じの服。白い足袋に、下駄を履いている。目は紫で、つり上がり気味。年は16
ほどの娘だ。

静寂を護り、レァツライの命を絶対とする少女。ラスト。
長袖、ミニスカートの黒色の服にヒラヒラをつけ、ややゴシックロリータちっくにした感
じのを着ていて、目は虚ろで灰色。常に、白い狐のような使い魔を肩に乗せている。年は
見た目は、14ほどの少女だ。

鎖を使う、何も喋らない人形のような少女。レヴィ。
黄緑色の髪が肩より少し下まであって、長袖で膝までの、黒いワンピース。黒いブーツを
履き、目は虚ろな、赤目。常に祈りを捧げるかのように手を合わせている…まるで自我を
持たないかの様な少女。年は12程。


この7人が狂族…いや、ストレインの者達である。



「…。……堪え、られない…。…」

 ストレインが住む城の、各自の部屋に繋がる長い廊下で、娘は1人、天井を見て呟いた。
長い水色の髪が、さらりと肩から滑り落ちた。
イハル=ストレインである。

 イハルはすっと視線を、窓の外に向ける。
IMG_000000.png ( 42 KB )  窓の外は昼だと言うのに暗くて、雨が降っていた。
 こつ、と音を立てて窓に触れて、外の様子を凝視する。
 外には魔獣が、何かを追いかけ走っていた。…。…何か、と言うのは間違いだろう。魔獣が追うのは只1つ。ラ・セラトゥルの住民のみだ。
 魔獣が止まったと同時に、
ぎゃあああぁ…と、叫び声が聞こえた。
 イハルは瞬間的に窓から視線を逸らし、 床を見た。
 あまりにも残酷で非道な光景。
 それは目に焼き付き、声は頭の中で繰り返されていた。
 堪えられないのはこの状況で、何故ストレインに入ったと、自分に問い掛けるが何も答えは返ってこない。

(……。…私は気がついたら、此処に居たんだ…。…判らなくて、当然だろうな…)
そう考え、その疑問にケリをつけようとするが、それには無理があった。
イハルは、14歳の時には既に此処にいて、何も覚えていなかったからだ。
『記憶喪失』だと、レァツライはイハルに言ったが、何故かそれに違和感を感じてならない。
その所為で、この疑問は半永久的に自分の中にあるだろう。
それより今問題なのは、この状況に堪えられないと言うことだ。
ストレインにいれば、この状況はずっと続くだろう。ラ・セラトゥルが滅びるまで。だが、
滅びまでの時間は長く、気が狂ってしまいそうだ、と、イハルは思った。
(…。…この現状を壊す、何かが要るな…。)
じゃあ、その何か、とは何だ?
また自分に問い掛ける。しかし、何度問い掛けても答えは1つに辿り着いてしまう。
レァツライを倒す者が必要。と、言う答えに。
だが、イハルは不安だった。レァツライを倒せる者が、存在するのか?…と。
イハルはストレイン族の一員だから、レァツライの強さはある程度判っている。空間を造
りだす能力。他人の心臓を喰らい、自分の力として使う能力。
これだけでも厄介だと言うのに、レァツライは魔獣になれると言う能力を持っていた。そ
れはレァツライが古代魔獣神と呼ばれる、神族だからと言う、簡単な理由だが。
それを知っているだけに、不安になってしまうのかもしれない。
レァツライの能力を知る者は居ないだろう。そう、自分達の様なストレインを除いては、
だが。
ふと、イハルの頭の中に1つの言葉が浮かんだ。
(…『長の能力を知っているのは、ストレイン族』……?)
イハルは片手で口元を押さえ、考え込むように俯いた。
長…レァツライの能力を知るのは自分のようなストレイン。なら、自分が“何か”…いや、
“レァツライを倒す者”に成れば良いのではないか?…と。
無謀だ、危険すぎる。
そう思い、イハルは自室に足を進めようとしたが、どうしても割り切れず、足も進まない。
(…。…私は、本心では反逆を望んでいるのか…?)
何故か、その考えが異様にしっくり来た気がして、自嘲的に、軽く、薄ら笑いを浮かべる。
(ならば、やってやろう…。…狂うよりマシ、だろうな。)
死ぬ覚悟が出来ているワケではない…が、そうするしかないのなら、そうしよう、と、イ
ハルは思った。
自分には家族なんて居ないのだから、迷惑をかけるという心配もないと、言い聞かせて。
そして、自分の部屋に足を進め始めた。
足を進めてる内にイハルの計画は実行と言う考えでまとまってきていた。
                       .......to be continued
                      


贈者のお言葉。良く読むように(笑)

取り敢えず第1話終了。
スローペースな…(殺
挿絵は頂き物絵の方にUPすると思われます。
宜敷お願いいたします★(何)


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制作・著作 夕華君  編集(多分)ハム

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