天空旅人冒険記2 第二十一話 仲間との再会
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「なんだかジメジメしてるポ」 洞窟に入ってすぐにポポロンが言った 「まさに魔物の巣ってかんじだな」 真てぃーだが大きめの木の棒に火をつけながら言った 少し行くとすぐに道が分かれた 一つは、さらに暗くなっている道 もう一つは逆に少し明るくなっている道である 「どっちに行く?」 レッドアリーマーが言った 「スラリン どっちかわかるかい?」 「ピキュ・・・ ピキ!」 スラリンは暗闇の中へと走り出した リュカたちは顔を見合わせ、後をおった 少し狭い空洞 いや、部屋と言った方がいいだろう スラリンを追っていたリュカたちは、その部屋にたどりついた 「何なんだ? ここは・・・」 「部屋だろ」 レッドアリーマーの問いに真てぃーだが答えた 「いや それはわかるよ」 「それ以外にどんな答えがある?」 「それは・・・ん?」 レッドアリーマーが途中で言葉をとめた 奥の方で何かがうなっている スラリンはリュカの後ろに隠れた 暗闇から1匹のキラーパンサーが現れた 「キラーパンサー・・・こいつか?」 「・・・だろうね 普通の魔物とどこかが違うし・・・」 レッドアリーマーの問いに今度はリュカが答えた キラーパンサーが少しずつ近づいてくる 「く 来るポ!」 間合いに入るとキラーパンサーはポポロンにとびかかった 「わわ・・・」 ポポロンは急いでそれを避ける キラーパンサーは休みもせずに、 今度はレッドアリーマーにとびかかった 「来たか ・・・ファイア!」 レッドアリーマーが出した炎がキラーパンサーをつつむ キラーパンサーはそのまま壁に激突した リュカはそれをただ見ているだけだった 『あのキラーパンサー・・・もしかして・・・』 リュカはキラーパンサーに少しずつ近づいていった 「な・・・リュカ!」 リュカはキラーパンサーの一歩手前まできた しかしキラーパンサーは攻撃しない まるで何か昔のことを思い出そうとしているようだ 「ゲレゲレ・・・だろ? 僕がわかるかい?」 リュカはそっとキラーパンサーをなでた その途端、凶暴だったキラーパンサーから殺気が消えた 「ど どうなってるポ?」 ポポロンはリュカにきいた 「このキラーパンサーは昔会ったことがある ・・・その時はベビーバンサーだったけどね」 「じゃぁ・・・こいつがゲレゲレか?」 真てぃーだが言った 「あぁ・・・でもどうして村を?」 「ガウガウ! ギャウ!」 ゲレゲレは何かを伝えようとしているが、わかるはずもない 「えっと・・・村はこれ以上襲われなかったらいいんだよね?」 「まぁ・・・そうだろうな」 レッドアリーマーが言った 「ということは・・・連れて行くんだな?」 「そうしようと思ってるんだけど・・・反対?」 「いや・・・別にいいと思うが・・・」 「いいんじゃねえの?」 「いいと思うポ」 リュカはそれをきいて安心したようで、 「じゃぁ・・・一緒にくるかい? ゲレゲレ」 「ガウ!」 ゲレゲレも同意したようだ 「それじゃぁ一度、村に戻ろう」 リュカが立ち上がって行こうとした時、 ゲレゲレはリュカの服をひっぱった 「ん? なんだい?」 ゲレゲレは部屋の奥をむいた 「・・・なにかある・・・」 リュカは部屋の奥にある物の近くに行った 「これは・・・父さんの剣!? どうしてここに・・・」 顔を上げて壁を見ると壁にこう書かれてある 『英雄パパス ここに眠る』 「・・・誰かがここに墓を作ってくれたのかな?」 リュカは剣を握ってみた なつかしい感じがする すると刀身にうっすらと文字がうかんだ 『我が息子にこの剣をささげる』 「・・・持っていっていいと思う?」 「見たところリュカさんのために作られた剣だポ 持っていっていいと思うポ」 「それじゃぁ・・・よっと!」 リュカはパパスの剣をぬいた すると頭に直接語りかけてくる声がした 『小僧・・・我が眠りをさまたげるとは、どういうつもりだ?』 「え!? いや・・・あの・・・」 「どうした?」 レッドアリーマーが心配そうに声をかける どうやらリュカ以外には聞こえていないらしい 『我が名は、魔剣 バハムート 魔石から作られし剣 我を使うはパパスのみ 何用だ?』 「あ・・・僕はパパスの息子のリュカといいます」 『ほう・・・貴様が・・・パパスはどうした?』 「・・・父さんは・・・」 リュカは魔剣に説明しようとしたが言いにくい 『・・・死んだのだな?』 魔剣はそれだけで悟ったらしい 『ならば今から我を使うはリュカ 貴様だ』 「・・・僕でいいんですか?」 『かまわん ただし我はまだ力を完全にはだせない 我が刀身は2つある 1つは貴様が今もっているもの もう1つはどこにあるかわからない 我を使うのならその1つを探すと約束しろ 口だけでいい』 リュカは少し迷った 約束するのならば、やはり探し出したい 「・・・わかりました 約束します ただ『旅のついで』みたいなかんじになりますが・・・」 『かまわん よろしく頼む』 魔剣の声はそれで終わった 「大丈夫か?」 真てぃーだが言った 「え? あ・・・ああ」 「何があったんだ?」 「帰りながら説明するよ」 リュカが説明を終えたときには外にでていた 「なるほど・・・と、いうことは旅の目的がまた1つできたな」 レッドアリーマーが笑みを浮かべて言った 「え?」 「魔剣の刀身を探す 旅の目的に加わった」 「ああ・・・そうだね」 リュカは微笑んで言った 「魔剣に関しては旅をしながら情報を探そう」 そう言ってリュカは馬車に乗った 三人と1匹、そして再会したゲレゲレも乗った 「それじゃぁカボチ村に戻ろう」 そう言ってリュカは馬車をカボチ村にむけて走らせた・・・ 第二十二話につづく・・・ 第二十話へ戻る 第二十一話につづく・・・ あとがき |